UPC_CFI_1696/2025

**【要約】** **1. 事案の概要** 本件は、特許権者である原告(Topsoe A/S、対象特許:EP 3 802 413 B1「スチーム・メタン改質による水素製造」)が、被告(SYPOX GmbHおよびJosef Kerner Energiewirtschafts-GmbH)に対し申請した証拠保全・査察手続において、専門家が作成した「詳細な記述(報告書)」および回収された添付資料の原告への開示範囲ならびに機密情報の保護(統一特許裁判所協定(UPCA)第58条・第60条等)が争われた件である。 **2. 裁判所の判断基準(基本原則)** 査察報告書等の開示範囲および機密保護については、以下の3段階で判断される。 1. **秘密性の確認**:情報・証拠が営業秘密、第三者の個人情報、その他の機密情報に該当するか。 2. **関連性の審査**:機密情報であっても、特許侵害や実施行為の判断に無関係なものは黒塗り(非開示)とする。 - 専門家が報告書内で実際に依拠した情報は、原則として関連性があるとみなされ、黒塗りの必要性は被告側が主張・立証しなければならない。 - 専門家が依拠しなかった情報や元文書全体の開示については、原告側がその必要性を立証する必要がある。 3. **開示方法の決定**:侵害や実施行為に関連する機密情報については、第三者への守秘義務を課した上で原告へ開示するか、アクセスできる者を特定の者(コンフィデンシャリティ・クラブ)に限定するかを個別具体的に決定する。 **3. 本命令の主な内容** - **報告書および添付資料の黒塗り命令**:被告(SYPOX)に対し、侵害判断に無関係な具体的技術詳細、一部のパラメータ、メーカー名、プロジェクトパートナー名、個人情報等を黒塗りした修正版報告書を提出するよう命じた。 - **対象外装置および添付書類の非開示**:本査察命令の対象外であった装置(Pilot 2)に関する記述・資料(D1〜D12)、および報告書本文の引用・説明で十分と判断された一部の原本資料(D13, D15, D16, L2, L3, L4, L5, L6, L8, L12等)は原告へ開示しない。 - **閲覧制限(Confidentiality Club)**:開示される情報について、原告側のアクセス権限をあらかじめ指定される特定の自然人(弁理士・弁護士等)に限定する。被告が求めた弁護士等のみに限定する完全非開示(Attorney-Eyes-Only)は、フェアな裁判を受ける権利を害するため却下された。 - **目的外使用の禁止と訴訟提起期限**:得られた成果は被告らに対する本案訴訟のみで使用可能とし、原告に対し、正式な報告書開示から指定期間内(31日以内または20営業日以内)に本案訴訟を提起するよう告知した。

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【UPC Court of Appeal / 2026年08月28日】No. UPC-CoA-678/2025 - 特許補正手続の許容性、先行技術に基づく進歩性、およびUPCA非締約国における特許侵害管轄・立証責任に関する控訴審判決

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